作者によれば、“立方体の発泡スチロールを2方向から熱線でカットすることにより、たいへん複雑で面白い形を創り出すことができます”とのことで、ユーザは2.5D化したいBMPファイルを指定するだけで、その“面白い形”を生成できる。

生成される2.5次元造型とは……実際に動作中の画面を見れば一目瞭然なのだが、言葉で説明するなら「立方体の段ボールを氷彫刻よろしく削り出したオブジェクト」または「基本ブロックだけを使った立体レゴアート」といったような感じだろうか。

使用できる画像サイズが128×128ピクセル、背景色は白色のみ（（R,G,B）=（255,255,255））という制限があるものの、2Dの画像が思ってもみなかった2.5D画像になってディスプレイ内を動く様子はかなり楽しい。設定では、生成されるオブジェクトの色と、オブジェクトの回転速度を変更できる。

動くオブジェクトは1個だけで、設定項目が多いわけでもないのだが、しばらく飽きずに鑑賞してしまった。よく観察したい人は、回転速度を抑え目にすればよいだろう。

最初に頭に浮かんだのは、金沢美術工芸大学の酒井和平先生の研究室で見せていただいた複雑な形にカットされた発泡スチロールの山でした。発泡スチロールのブロックをニクロム線カッターで2方向からカットすることで、想像できない不思議な形を生成できる！　このことに驚きを感じていた私は、これをスクリーンセーバにしてみようと思ったのです。

本当は滑らかな面で接続した3Dモデルとして表現したかったのですが、難しい問題があり、あっさり妥協して現在の表現になっています。実はソフト名の「2.5次元造型」には二つの誤りが含まれています。本来は、酒井先生の命名通り「2.75次元造形」とすべきでしたが、最初に間違ってしまったので、バージョンアップの途中で名前を変えると混乱することと、私のいい加減さへの戒めとしてそのままにしてあります。