「へてむるクリエイタ〜」は、タブ切り替え方式を採用し、複数のファイルを同時に編集できるタグ挿入型HTMLエディタ。タグの挿入・再編集はさまざまな方法ですばやく、かつ容易に行える。PerlやJavaScriptなどのソースを編集することも可能。メイン画面は、上部に目的別のタブで区切られたタグ挿入用ツールバーを、下部左側にはファイルエクスプローラを、下部右側にはエディタ部分を配置した構成になっている。

タグ挿入用ツールバーのタブは「フォント」「レイアウト」「文書構造」「リンク/画像」など13項目に分類され、分類に応じたタグ配置アイコンが並ぶ。要素名や属性が必要なタグは、アイコンを選んだときにウィンドウがポップアップし、設定できるようになっている。ユーザがよく使う項目を登録して利用することのできる「カスタム」タブもある。

タグの挿入はツールバーやメニューバー、コンテキストメニューから行える。タグは要素名と属性が色分け表示され、見やすい。挿入済みタグの再編集も簡単。「<」に続くタグの要素名上で【F2】キーを押すか、コンテキストメニューの「タグの再編集」を選べばよい。また、タグの入力補完機能を備えており、タグのすべてを入力しなくても前方一致で候補を表示する。

PerlやJavaScriptの編集にも対応。補完機能はないが、HTMLの編集と同様、ツールバーからタグを挿入できる。モード切り替えを行うことにより、XHTML 1.0にも対応できる。

左ペインの「エクストラバー」もタブ切り替え方式になっており、複数の機能を切り替えて使う。ファイラ機能を持つ「ファイルエクスプローラ」、編集中のHTMLソースのリンク先が切れていないかをチェックできる「リンクチェッカー」、ページ全体の要約やスクリプトやSSIなどが把握可能な「クイックジャンプ」、よく編集するファイルをフルパスで記録しておける「ブックマーク」などの機能が実装されている。

何といってもタブ採用による複数ファイル編集は便利な機能であり、頻繁に編集するHTMLファイルは、編集画面のタブを「閉じる」ことなく「へてむるクリエイタ〜」を終了させればよい。次回の起動時には、前回の編集状態が再現される。欲をいえば、前回のカーソル位置も再現してほしいなどと期待は高まる

改行や「EOF」コード、Tabの表示などは、基本的ながら忠実に実現されている点がうれしい。編集サイズが無制限な点なども、テキストエディタとしての基盤が活かされているのだろう。

1行の文字列が長い場合、スクロールが面倒なこともあるため、ワードラップ機能もほしいところだ。

開発中に苦労した点
正式版公開まで約3年かかったことです。途中、数ヵ月間ソースコードに触らなかった時期があったのですが。最終的には私がいままで作ったソフトに比べ、かなり規模の大きなソフトになってしまいました。また、各種ダイアログのデザインにはかなりの時間を費やしています。これひとつでソフトの良し悪しを左右すると考えていますので、なるべく統一感を持たせ、操作に戸惑わないようなものを目指して作成しました。

ユーザにお勧めする使い方
このソフトでは、ツールバーやコンテキストメニュー、ショートカットキーのフルカスタマイズができます。使いやすいようにカスタマイズすると、作業効率がアップすること間違いなしです。また、「へてむるライタ〜」とは比較にならないほど多くの機能が搭載されていますので、はじめて使った方や乗り換えられた方は戸惑われるかもしれません。そこでぜひヘルプに目を通したり、起動時の「ワンポイント」を読んだりしてみてください。読まずに使っているだけではわからない、新たな発見があるかもしれません。実は、ヘルプはまだ未完成（Ver.1.06現在）ですので、「ワンポイント」でしか解説していない機能もあります。

これを書いている時点での最新版（Ver.1.06）では、「動作環境オプション」の「画面のデザイン」から、ツールバーやメニューのデザインをOffice xp風などに変更することが可能になっています。HTMLの編集の手助けをしてくれるわけではありませんが、カッコよくて見やすいので、ぜひお試しください。

へてむるライタ〜について
はじめてHTMLを書くという方には「へてむるクリエイタ〜」では難しすぎるかもしれません。そこで、中機能ですが軽くてメモ帳感覚で簡単に使える「へてむるライタ〜 」をお勧めします。ちなみに私は現在、編集用に「へてむるクリエイタ〜」、IEのソース表示用に「へてむるライタ〜」と使い分けています。

さいごに
このソフトはフリーソフトですがカンパも大歓迎です。シェアレジまたは銀行振込で寄付できます。もしお気に召した方は、寄付していただけると大変助かります。

また、このソフトの名前は「へてむるクリエイタ〜」です。「へてむる」は「HTML」を気の抜ける読み方で読んでみたというのが由来です。よく「へるてむ」「へてるむ」「へむてる」と間違われることがあるのですが、この機会に正しい名前を覚えていただけるとうれしいです。(^^;